2スレ目-単発

憑れて来るな

憑れて来るな

39 名前:本当にあった怖い名無し sage [2008/02/25(月) 12:38:22 ID:bhfwToVHO]

本スレにするか迷ったがいくつか書きたいのでこちらに投下。

40 名前:本当にあった怖い名無し sage [2008/02/25(月) 12:41:49 ID:bhfwToVHO]
途中で切れた。済まない。

ものすごく迷惑な親友が俺にはいる。
かなりいいヤツなんだが、ひとつだけ、どうしても好きになれないところがあった。それは、ヤツの体質っていうか、とにかく変なものを連れてくるところだ。
オフクロが超霊感が強いせいか俺は昔から「みえるひと」だったので、ヤツの体質は迷惑極まりない。しかも厄介なことにヤツは引き寄せる体質でありながら全く見えなかった。そのくせよく心霊スポットに行っては厄介なものを連れて来やがる。おまけに仕事は葬儀屋ときた。
前置きが長くなったが、今から投下する話はそんな親友の迷惑な体質によって俺が見てしまった物の話である。
その日、ヤツ…顔が某俳優に似ているので、その名をとって仮に松山と呼ぶが、ヤツは自分の職場の友人と心霊スポットに行くと行って非番で寝ていた俺ん家に来て、デジカメをパクって行った。心霊写真を撮るつもりらしい。言い出したら聞かないのもわかってたし、眠かった俺はあっさりOKした。
そしてその日の明け方、俺のアパートのインターホンが激しく連打された。眠い目を擦って出ると、松山がいた。
「よ!!!」
陽気に声を掛けて来やがった松山だが、俺は即座にドアを閉めた。見えてしまったからだ。松山の後ろにいるものが。
「なんだよー開けろよー」
「寄んな!!!来んな!!!!消えろ!!」
ドアの向こうにいる松山の後ろにいたのは、小さな子どもだった。いや、子ども、なんだろう。腰から上が無いが、ゴボウみたいな細い足に青いズボン、ウルトラマンの絵が書かれた靴。どう見ても幼い男の子…の足だ。下半身しかなかった。
「いーから入れろって!!!寒い!!」
と松山は無理矢理入ってきた。ちょっとびっくりしたのが、そのときそのガキの足がドアに挟まった。
幽霊がドアに挟まるなんて聞いたこともないし見たのも初めましてな感じだが、その足はドアが閉まると同時に、
グチャッて音が聞こえてきそうな捩じれ方をして千切れた。ぼとり、と俺の玄関に膝から下が落ちた。
痙攣するように微妙にピクピクする幽霊の足は非常に気持ち悪く、ゲロ吐きそうだった。怖い云々より、気持ち悪い。
しかし松山はそんなことには全く気付かないでズカズカと部屋にあがり、戦利品だ、とデジカメを卓袱台に置いた。
俺は千切れた足を見なかったことにし、松山の前に座った。

41 名前:本当にあった怖い名無し sage [2008/02/25(月) 12:42:25 ID:bhfwToVHO]
松山はニヤニヤ笑ってデジカメの画像を見せてくる。
「ここにさ、男の子写ってね?これこれ!!ここ!!」
興奮気味に画像のはしっこを指差す。そこには確かに男の子っぽいものが写っていた。恐らくあの千切れた足の。
「やべー俺もついに霊感出てきちゃった?」
などと嬉しそうに話す不謹慎な親友を無視して俺は便所に向かった。
そして用を足して手を洗う。と。

「ひぃいっ!!!!!」

洗面台の鏡を見て俺は小さく悲鳴をあげた。鏡に写る俺の頭上に、逆さまむいたガキの顔があったからだ。
眼を見開いてじーっと俺を見ているガキはあきらかにあのデジカメのガキだった。黒目が極端に小さくて気持ち悪い。つーか怖い。
俺は久し振りに恐怖を感じて走って居間に戻った。居間では松山がテレビを見ている。
しかしその肩には、さっきのガキが顎を乗せていた。
「お前もう帰れ!!!!!てゆうか御祓い行ってこい!!!」
俺は半泣きになりながら松山を追い出した。松山は意味がわからないとブツブツ言いながら帰って行った。
見送ったヤツの背中に顎を乗せて、あのガキはいつまでも俺を見ていた。

  • 最終更新:2009-12-05 23:27:56

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