3スレ目-単発

迷惑な兄、白いのっぺらぼう

迷惑な兄

15 名前:本当にあった怖い名無し [2008/05/18(日) 16:10:55 ID:oWrKwK9oO]
霊感0のくせにやたらと変なものつれてきたり、26にもなって心霊スポット大好きだったりする超迷惑なやつがいるんだ。うちの兄なんだけど。
うちは三人兄弟なんだが、その迷惑なのが長男で、自称霊感バリバリのこれまた迷惑なやつが三男だったりする。ちなみに俺は平凡を絵に書いたような次男ね。
そんな最悪な兄弟のせいで平凡な俺が迷惑被った心霊体験を聞いてもらいたい。

ある金曜の夜、長男が出張先の滋賀から帰ってきたんだが、なんかテンションがやたら高くてキモかった。理由を聞いても言わないから俺は放置してたんだけど、
弟はなんだかすごく気になるみたいで半ギレになりながら聞き出そうとしてた。
「ええて。早よ言えや」とかさ、兄に対する口の聞き方がなってない。でも長男は
「どーしたんーナオはお兄ちゃんがそんな好きかー」とか言って、ヘラヘラしてるだけだった。歳が離れてるせいか、長男は俺含む弟達にかなり甘い。
なのにそのときはいくら聞いても何も言わなかった。しまいには眠いとか言って部屋に帰って行く。
弟は弟で怒ったように外に出てしまったし俺も仕方なく部屋に帰って寝た。
そんな深夜、すでに熟睡してた俺だが尿意を感じて目が覚めた。仕方なくトイレに行こうと思って階段を降りてると、なんか玄関のほうから音がする。
俺は弟が帰って来たのかと思って見に行った。時間は二時を回ってたし、さすがに高校生がこんな時間に帰宅とは兄として一言叱るべきだと思ったから。
んで、ついでに弟を脅かそうと思って、廊下を電気もつけずに歩いて玄関に向かってたんだが、なんか違和感を感じた。うまく言えないんだけど、なんか睨まれてるような感じ。周りを見回したけど誰もいないし、まあ気のせいだろうと思って、不意に上を見上げた瞬間にいやなものと目が合った。
「あ、女の子…て…ハア!?女の子!?」

16 名前:本当にあった怖い名無し sage [2008/05/18(日) 16:11:57 ID:oWrKwK9oO]
女の子が、天井に張り付いてんの。女の子っていうか、フリフリのワンピース来てるんだけど頭とかハゲてて手足ミイラみたいなやつが、ヤモリみたいに。
超キモかったし怖かった。
「なんやねんお前!」
今思えばすごい勇気。多分ある意味パニックだったんだろうな。俺は女の子に向かって叫んでた。
そしたら、 頭が ぐ る ん って捩じれて女の子がこっち向いて

「えへへへへへへへへへふぇひひゃははははははははははひひははははふはふははひはははぃははひははひゃひゃひゃひゃ」

って笑い出して。ムンクの叫びみたいな顔してて。
やばいよどうしようとか本当にパニックになって、でもそのときにガチャンて後ろのリビングのドアが開いて、三男が走ってきた。
「ユウちゃん目ぇつむって!」
言われて目をつむると、なにかが顔に降り懸かって、途端に「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」って聞こえた。
「えーよ」って弟の声がして、目を開けるとまわりは真っ白だった。塩を巻かれたみたいだ。
「なに、あれ」「知らん。トモ兄がつれてきたんやろ」
三男はそう言って再び部屋に戻った。俺は怖かったのとびっくりしたのとでもう眠れなかった。

翌日、起きて来た長男を三男がこっぴどく説教して問い質したところ、長男がしぶしぶ部屋から汚い靴を持ってきた。なんでも出張中に先輩と滋賀の有名な心霊スポットの「三輪車トンネル」とやらに行き、見つけて拾ってきたそうな。でもそれを言うと三男に激怒されるのがわかってたので言わなかったらしい。
もちろんこのあと激怒されていたし、靴は寺で引き取ってもらったそうだ。

取りあえず俺はバカと電波のせいでひどい目に合った。「三輪車のトンネル」がどんなものかは知らないが、行かないことをお勧めしておく。
長文済まなかった。
あと、sage忘れた。ごめん



白いのっぺらぼう

514 名前:1/5 [2008/06/28(土) 02:20:16 ID:iP7cd4bi0]
いくつか思い出話をしようと思うのでここで投下。長文スマン
まとまらなかった


俺がまだぺーぺーの新米社会人だった頃
慣れない仕事に連日の残業を強いられてくたくたになっていた。
職場のビルを出るのはいつも真夜中で、というより朝が近いような時間で
帰宅して一眠りしたらもう出勤するような生活だった。
最初は車で通勤していたが、寝不足から事故を起こしてもと思い、次第に公共機関で出勤し
タクシーで帰る生活になった。ケチくさく、自宅最寄の大きな道路までタクシーで、
あとは徒歩だ。歩く道は、昼間でもほとんど車が通らない道だった。
最初は何もなかった。
が、それが二週間も続いたころから、帰宅途中、背後に人の気配を感じるようになった。
振り返っても当然のように誰もいない。
辺りは静まり返って、明かりのついている家もほとんどなく、県庁所在地とはいえ
田舎なせいで、自宅周辺に近付くにつれてマンションも減り、街灯だけがついてるような、
逆に静けさが耳にシンと響くような空気だ。
なのに、どうしても振り返るのをやめると人の気配を感じる。
自宅に着くまで、その気配はずっと背後を着いて来ていた。
恐らく寝不足が続いているせいでそんな錯覚をするのだろうと、
あまり気にも留めなかったのだがさすがに連日続くと気味が悪くなってきた。


515 名前:2/5 sage [2008/06/28(土) 02:20:39 ID:iP7cd4bi0]
なんとなく気配を感じると早足で歩くようになり、自宅に飛び込む時には念入りに
背後を確認するのが習慣になった。
見ている人がもしいたら、かなり異様な雰囲気だっただろうと思う。
そうして、こんな生活が一ヶ月を越え、担当業務の区切りが大詰めを迎えた頃、
疲労困憊しながらいつものように職場を出ると、タクシーが一台も客待ちをしていなかった。
このビルでは残業者が多く、ほぼ24時間タクシーが客待ちをしているのが常だったから
たまたま全部出払ってしまったのだろうと、しばらく待つ事にした。
一台くらいはすぐに戻ってくるだろうと、そう思っていた。
業務もピークだったが、疲労もピークで、仕事をしている時には何とか押し止めていた
生あくびがひっきりなしに出る。
早く帰って寝なくては、と思っていた。
朝になったら、久々に車で出勤しなければならなかったからだ。
業務の打ち合わせで出掛ける必要があり、空いている車がなかったせいで自家用車を使う
予定だった。これだけ寝不足を重ねて、居眠り運転になったら自殺行為だ。
そんな事をぼんやり思っていると、ふと人の気配を感じた。
いつもなら、自宅近くでタクシーを降りてから感じる気配だ。
わけもわからずぞっとして、闇雲にきょろきょろと辺りを見回したが、やはり誰もいない。
出てきたビルを振り返ると、ガラス越しに非常灯が灯っているのが見えるだけだ。
二階以上でまだ明るい部署があるのは見えていたが、人の気配というものとは違う。
タクシーは来ない。
早く来てくれ、と思った。今日は家の前までタクシーに乗る、だから!
ぐるぐると辺りを見回した。誰もいない。誰もいないのに、気配は近付いてくる。
…近付いてくる?
今まで、一定の距離以上には近寄らなかった気配が、この日は何故かどんどん近付いてくる。
でも何も見えない!

516 名前:3/5 sage [2008/06/28(土) 02:21:02 ID:iP7cd4bi0]
盛大なクラクションと、何かスピーカーを通すような声に、
いきなり我に返ったのは次の瞬間だった。
手元を見て仰天する。ステアリングを握っていた。車を運転しているのだ。
「シロ! ブレーキ!」
声が響いて、俺は突然雷に打たれたように目を見開いて力いっぱいブレーキを踏んだ。
タイヤがとんでもない音を立て、車はつんのめるようにして停まった。
俺の目の前、フロントガラス一杯に、自宅近くのビルの壁が見えていた。
心臓が破裂しそうな勢いで飛び跳ねて、俺は思わず息を止めていた。
危うく、車でビルに突っ込む寸前だったのだ。
ガンガンガン!と運転席側のドアが叩かれて、
「パーキングに入れてサイドブレーキ!それからここ開けろ!」と声がした。
操り人形のように頷き、のろのろと手を伸ばして一連の動作をし、エンジンを切りながら
ようやくそろそろと息を吐き出した。どっと汗が噴き出した。
よろけるように車を出ると、肩を鷲掴みにされて怒鳴られた。
「何やってんだ!死にてぇのかよ!」
傍らにパトカーが停まっている。怒鳴っているのは警官だ。
気が付けば空はとっくに明るく、こわごわと遠巻きに見ている近所の人達が見えた。
へたり込みそうになりながら、腕時計を見ると通勤時間帯だった。

517 名前:4/5 sage [2008/06/28(土) 02:21:31 ID:iP7cd4bi0]
「シロ?!」
耳元で警官が怒鳴る。うるせぇよ聞こえてるよと思いながら結局立っていられずに座り込んだ。
俺をシロと呼ぶ奴はひとりしかいない。高校大学とつるみ、官僚になれたはずなのに何故か
警官になりやがった友人だ。そいつは俺の士郎という名前を絶対にシロと呼んだ。
「ていうか、何でおまえがいるんだよ」
ようやく言うと、そいつは顰め面になった。ともかく落ち着くまでそこに座ってろと言って
パトカーに戻り、パトカーをビルの駐車場に停め直した。
通行人や近所の人に何事か言って散らしている。それから戻って来て、俺をひっぱり起こし、
パトカーの後部座席に押し込んで、俺の手からキーを抜き、俺の車も同じ様に停め直した。
結局、この警官が余りにうるさくて、俺は勤め先に電話を掛け、どうしても体調が悪いと
休みを貰った。そのままパトカーで自宅まで送り返された。

518 名前:5/5 sage [2008/06/28(土) 02:21:53 ID:iP7cd4bi0]
その警官、冗談のようだが慶司という名前のそいつが言うには、
ずっと、俺の周りに白いもやが見えていたんだそうだ。
俺の勤務先と、慶司のいる署は隣り合っている。俺が連日へろへろになってタクシーに乗るのを
慶司は夜勤で署にいる時に何度か見たらしい。
最初ははっきり見えなかったもやが、見るたびに濃くなっている気がして、
目の錯覚だと思いながらも気持ち悪かったと慶司は言った。
ちなみに俺たちには見事なまでに霊感などというものはない。
学生時代に何度も肝試しだの霊感スポットめぐりだのをしたが、一度もみたことはなかった。
慶司もずっと、白いもやを街灯か何かの光の加減だと思っていたんだそうだ。
ただ、その日の朝、慶司は朝からパトカーで出掛け、署に戻る途中で俺の車を見つけた。
妙にふらふらとしている俺の車に驚いて追いつこうと速度を上げた直後、俺の車の上に
白い人の形のモノが座っているのが見えたんだそうだ。
その白いのっぺらぼうは、もやなんてものじゃなく、くっきりと見えていたらしい。
そして、俺はビルに向かって突っ込みかけた。
そののっぺらぼうがずっと感じていた人の気配の持ち主だったのか、どこから現れたのか
何がしたかったのかはさっぱりわからない。
そもそも俺には前夜、自分が職場からどうやって帰ったのかもいつ帰ったのもまるで記憶に
なかった。ようやく思い出したのは、タクシーがいなかったのと、人の気配を感じた事だけだ。
今でもあれが究極の寝不足が招いたことだったのか、
それとも何かの霊体験のようなものだったのかわからない。慶司もわからないと言っている。
ただ、それ以降、俺だったり慶司だったり、どちらかが妙な体験をする事が増えたのだけは確かだ。


長文駄文失礼。この頃ようやく変な体験をしなくなった気がするので吐き出してみた。

  • 最終更新:2009-12-06 01:38:30

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